分娩直前のお母さん豚です。この大きなお腹には平均12頭もの赤ちゃんが入っています。
仔豚はお母さんの母乳で栄養を付けます。

1頭ずつ生まれて、自分でお乳を探して飲むようになります。

母豚は1日3回給餌を行っているため、栄養たっぷりのお乳がたくさん出ます。

 

新生仔豚に粉をつけて、胎盤等をふき取り、乾燥した状態で初乳を飲めるよう介助します。

生まれたばかりの仔豚は母豚の胎盤などで体が濡れて体力を奪われやすいため、少しでも早く十分な温度がとれるよう、可能な限り介助を行います。
出産後、しばらくは色の濃いお乳が出ます。

この「初乳」には栄養だけでなく、母豚からの重要な免疫も含まれています。

人間の赤ちゃんと同じように、この初乳を確実に飲ませてあげることが「丈夫で健康な体」をつくるために大切です。

 

特に冬場は体温が低くなりがちなので、ヒーター等でできる限り子豚に必要な温度を確保します。

暑くなりすぎず、また寒くなりすぎないように豚舎カーテン等でも調整を行います。

夏場は、バテないように送風機で涼しくしたり、母豚にはドリップ(少量の水を体に落とすこと)で体温を下げてあげます。

分娩後と離乳前に子豚の体重測定をします。

こうすることで、生まれてからの増体量が分かり、順調に発育しているかどうかを確認することができます。

約1.5kgで生まれた仔豚は、離乳する頃(21日後)には約6kgになります。

 

 

新生仔豚は体内の鉄分が少なく、貧血気味なので、鉄剤を投与して補充します。
豚には4本の鋭い犬歯があります。

仔豚同士がケンカをしてお互いを傷つけたり、授乳の際に母豚の乳房を傷つけたりしないように、この犬歯を切ります。
耳刻とは豚の番号(名前)です。

1頭の母豚から生まれた子豚は皆同じ番号を付けます。

こうすることで、生年月日や品種、兄弟を判別するのに役立ちます。

 

生後約21日でお母さん豚と離れ、離乳舎へ移動します。

離乳後はお乳ではなくエサを食べるようになるので、餌付け用のエサを少しずつ与えて慣らします。

 

離乳後、豚たちがいなくなった豚房では、次に生まれてくる子豚のために「洗浄・消毒・乾燥」を行います。